
24時間換気システム
快適な住まいを実現するには計画換気が重要です。
ウェルダンでは日本でいち早く24時間換気システムを導入。
換気設計では35年以上のノウハウがあります。
快適・健康な住まいづくりに
重要な計画換気とは
計画換気とは、24時間換気システムを使って住宅内に流れる空気を計画的にコントロールすることです。
ウェルダンでは24時間換気(計画換気)の必要性に日本ではほとんど気付いていなかった40年近く前に欧米の住宅視察にて計画換気に出会い、健康・快適住宅の普及に非常に重要だと考え導入を始めました。
計画換気は快適な住まいづくりのために大変重要で、その理由は以下の通りです。
屋内ではさまざまな汚染物質が発生しています。
人の呼吸により発生する二酸化炭素(CO2)、シックハウスの原因の1つであるホルムアルデヒドやトルエン、
キシレンなどのVOC(揮発性有機化合物)など多くの種類があります。これらを屋外に排出し、
新鮮な空気を外部より取り入れ屋内の衛生、住環境の維持のためにとても大切です。
屋内では、人の呼吸や汗、調理による水蒸気、風呂の水蒸気など多く発生しています。
それらを屋外に排出し湿度を一定に保ち、結露を防ぐことができます。
結露が発生しないため、カビやダニの発生を抑制することができるのです。
体臭やトイレ、ゴミなどの生活に伴う様々な臭いや、
衣類や布団から出るほこりも排出する必要があります。
汚染物質や水蒸気、臭い・ほこりを屋外に排出し、代わりに外部の新鮮空気を取り入れます。
家の中の空気が2時間でそっくり入れ替わる量(1時間で0.5回)を換気します。
給気口には花粉だけでなくPM2.5やウイルス、排気ガスなどといった煤煙が屋内に侵入するのを防止する
「フリマーフィルター」が全棟に標準で装備されています。
計画換気に関する正しい知識
住宅の気密化が進み「高気密住宅は密封されているので換気をしなければならない」といった声をよく耳にします。
実は全く反対で、「建物の換気をするためには、住宅の気密性をできるだけ高めなければ計画的に効率よく換気することはできない」というのが正解です。
新鮮な空気と汚染された空気をきちんと計画通りに流れるようにするためには「空気の通り道」を確保しなければならないのです。つまり隙間だらけの家では「無計画」な換気しかできないということです。
また、「計画換気をしている家では、窓を開けてはいけないんですか?」と質問されますが、これも間違いです。
換気の目的は、窓を開けなくても換気が隅々までできることです。雨の日、風の日、暑い日、寒い日、外出の日に、窓を開けられなくても家中に外の新鮮な空気が流れるためのものです。
天気が良く、無風で、暑くもなく、寒くもない時には窓を開けて暮らしても構わないのです。
ただ、そんな条件のよい日が1年の中でわずかしかないから換気が重要なのです。
ウェルダンは第三種換気を採用
一般的な住宅の計画換気の方式は、大きく2つに分けられます。
1つ目は第1種換気と呼ばれる、外気の取り入れ側(給気口)と屋外への排出側(排気口)との両方を機械により換気する方式です。
第1種換気では、排気の熱と給気の熱とを交換する熱交換換気方式が多く用いられています。
2つ目は第3種換気と呼ばれる、排気側は機械により換気し、給気側は自然給気とする方式です。
ウェルダンでは計画換気(24時間換気システム)の方式は第三種換気を採用しています。
30年以上前までは第一種換気(熱交換タイプ)を採用しておりましたが、
第一種換気にメリットが無いばかりか大きなデメリットがあることが分かったため、現在では第三種換気システムの採用に変更しています。
換気方式の特徴
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 第一種換気 | 給気側と排気側それぞれにモーターを使用した機械(ファン)によって換気を行う方式です。 この方式のほとんどは排気と給気とで熱交換を行うタイプとなります。 |
| 第二種換気 | 給気のみを機械により換気し、排気は押し出される圧力により自然排気となります。 室内が正圧(プラス)となるため、外部から空気が流入しにくいため、 病院の手術室や精密機械工場のクリーンルームなどで使用されています。 |
| 第三種換気 | 第二種換気と反対に、排気を機械により行い、給気が自然に吸込まれる形式です。 室内は負圧(マイナス)となるため、トイレやキッチンなどの臭気が廊下や居室側に流出しにくく、 またメンテナンスが容易でランニングコストも低いという特長があります。 |
| 項目 | 第三種 | 第一種 |
|---|---|---|
| イニシャルコスト | ◎安価 | ×高価 |
| 本体が安価でダクト配管は排気側のみでよい | 本体が高価でダクトは給気側と排気側との両方必要 | |
| 稼働の電気代 | ◎安い | ×高い |
| モーター1つの稼働のみ | モーター2つ稼働、ダクトの圧損抵抗による負荷大きい | |
| 熱交換による 光熱費削減 |
○熱交換による削減は無いが損失熱量はわずか | ◎熱交換により光熱費削減はあるがわずか |
| 空気は熱容量が少なく失われる熱量はわずか | 熱交換されるがそもそもの熱容量は少ない | |
| 故障の可能性 | ◎比較的少ない | ×比較的多い |
| モーター1つでシンプル | モーター2つで複雑 | |
| 機械交換時の費用 | ◎安価 | ×高価 |
| シンプルな設備で容易 | 複雑な機械であり高い | |
| 運転音 | ◎気にならない | ×気になる |
| ダクトは排気側のみで居室は無音 | 居室への給気側ダクトを通じて機械や送風音がする | |
| 建物の気密性能の必要性 | ×有り | ◎無し |
| 高い気密性を確保した建物が必要 | 気密性の高くない建物でも設置可能 | |
| ダクト内部の 汚れによる屋内汚染 |
◎無し | ×多い |
| 給気側にはダクトが無い | 居室への給気側ダクトは清掃不可能のため |
ダクト方式とダクトレス方式について
イニシャルコストは当然ダクトを使用しないダクトレス方式が安いのですが、家全体の換気量や換気経路の設定をトータルにバランスをとることが難しいといえます。またダクトを使用した場合、配管内の掃除をすることができず、特に新鮮空気の通り道である給気側にダクトを設けると、フィルターを通り抜けた微細な汚染物質がダクト内に蓄積されるという致命的な欠陥を抱えることになります。
ウェルダンでは、排気側はダクト方式、給気側はダクトレス方式という方式を採用しています。
排気側をダクト方式としている理由は、建物全体の排気量を場所ごとに設定しやすいという利点があることと、ダクト内部の汚染の問題についても、あくまでも屋外へ空気を排出するためのダクトであり、建物内部の汚染物質の拡散は全く無いからです。
また給気側をダクトレス方式としている理由は、ダクト内部の清掃ができないという致命的なデメリットを避けるためです。
壁の厚みのみのごく短いダクトとなるためダクトに手を入れて掃除が簡単にできます。

第三種換気のメリット・デメリット
メリットデメリット-
ダクト内部の汚れが屋内に拡散されることが無い
第三種換気には、屋外への排気ダクトしかなく、給気は各居室の外壁に設けられた壁の厚み分だけのダクトしか存在しません。
排気側のダクトは例え内部が汚れてきても、屋外へ排出するルートですから屋内の汚染はありません。 -
シンプルで故障が少なく、メンテナンスが容易
本体のモーターは1つで、大変シンプルな機械ですので故障の心配が非常に少ないシステムです。
また、給気口に装着されているフィルターは1年に1度交換し、その間の手入れは不要です。
本体の清掃も5~10分程度の簡単な掃除を1年に1度行うだけです。 -
ランニングコスト、イニシャルコストが安い
第三種換気システムの1か月当たりの電気代はわずか500~600円。
また、シンプルな機械ですので第一種換気に比べ機械本体のコストが半分程度で済みます。
またダクト配管も排気側のみですからこれも半分程度となります。 -
換気システムの運転音が気にならない
第一種換気のように、給気側ダクトを通して聞こえる換気システムのモーター音が居室内で気になることはありません。
また給気口からの外部の騒音の侵入や、反対に室内の音(ピアノやオーディオ)の音漏れを心配される方がいますが、もともとサッシ部や壁のわずかな隙間や、構造体そのものからも音が伝播されているため、給気口が外部に開いているから音が特に気になるということは通常ありません。 またシアタールームやピアノ室など、特に音漏れに対して配慮しなければならない場合、給気口の専用防音カバーを装着できますので安心です。 -
高気密住宅でなければ計画的な換気はできない
第三種換気は住宅の気密性能が高くなければ採用できません。
居室を給気側とし、浴室・トイレ・キッチンなどの水周りや納戸などを排気側として家中の換気経路(空気の流れ)を計画します。
隙間の多い住宅では無計画に壁や天井の隙間、サッシ周りから空気が入ってしまい、機械により排気をした分、新鮮な空気が給気口から入ってこなくなってしまうからです。
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換気ルート設計にノウハウが必要
そのルートをきちんと計画し、空気だまりができないようにします。そのためには高度な知識と技術を要するため、
豊富な経験やノウハウを持つ設計事務所や建築会社が必須です。
冬の給気口からの冷気について
給気口から外気がダイレクトに入ってくる第三種換気に対し、冬の冷気(コールドドラフト)を心配される方もいますが、
実際には給気口から10センチ下の壁面でほぼ室温となっており、ベッドの頭の真上を避けて給気口を配置するという程度に考慮しておけば、屋内で冷気を感じることはありません。
実際、ウエルダンのモデルハウスでは、日中の営業時間内は一切暖房をせず、真冬に外気を入れっぱなしの状態となっていますが室温は半日経過しても全く下がりません。寒冷地のスウェーデンでも氷点下の外気をそのまま室内に取り入れています。
給気口に手をかざせば冷たい外気を感じるのに、その10センチ離れると感じられなくなることに皆様が不思議な顔をされます。
どうぞ寒さ厳しい真冬にウェルダンのモデルハウスにお越しいただき、スウェーデン製換気システムの良さをぜひ体験してみて下さい。
第一種換気(熱交換タイプ)のメリット・デメリット
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メンテナンスが難しい
排気のみをダクトによって排出する第3種換気に対し、第1種換気(熱交換タイプ)は新鮮な空気を各居室へ送るのにもダクトを使用します。
新築時には気にならないのですが、5~10年程度経過するとそのダクト内部の汚れが給気口(新鮮空気の出口)から出ているのが肉眼で見られます。30年以上前に当社が第1種換気を採用していた当時の建物でも、給気口周囲のクロスの黒ずみや、黒い鉛筆カスのような微細な汚れが給気口から落ちてくる事例がありました。
「ダクト内を空気が流通しているから汚れの付着やカビの発生はありえない」という話をたまに耳にしますが、実際は大変汚れています。
またダクトは家の床や壁の内部を曲がって配管されていますので、クリーニングすることも大変困難です。
新築からある程度の期間を経過すれば、新鮮な空気と一緒にこれらダクト内の汚れがどうしてもでてしまうのです。
家中に配管されたダクト(新鮮空気の通り道)の内部を個人でクリーニングすることは極めて困難で、業者によりクリーニングを行うにしても費用がかかってしまいます。
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ランニングコスト、イニシャルコスト全てにおいて不経済
第一種換気は、給気用と排気用との2つのモーターが必要で、ランニングコストと熱回収により生み出されるエネルギーを比べると省エネとはいえません。家の内外で大きな温度差がある冬季以外はそもそも熱交換のメリットが少ない上に、冬季以外もモーターの2重の運転コストは必要となるからです。
冬や夏に熱交換ができるといっても、そもそも換気により流入する外気の熱容量は非常に少なく、建物という熱容量の巨大な固まりからみるとごくわずかしかありません。加えてイニシャルコストを考慮すると、機械本体とダクト配管費が高く、また故障や本体の交換費用も高く、第一種(熱交換タイプ)では割に合いません。
第三種換気では外気が直接給気口から
入るのに、なぜ室温には影響がないの?
答えは「空気は熱容量が非常に少なく、建物自体や内部の全ての物体の持つ熱容量は比較にならないぐらい大きいため、ほとんど影響を受けないから」です。
「熱容量」とは物体の大きさ(質量)に依存する量であり、同じ物質であれば質量が大きいほど熱容量も大きくなります。熱容量が大きい物体ほど温まりにくく、温度変化が小さいという特徴があります。
屋外の冷気・暖気といった気体(空気)に含まれる熱量はごくわずかで、一方建物の柱や壁、天井といった構造体や家具、家電、食器に至るまでの個体の合計の熱量を、冷やしたり温めたりする力はほぼ無視できる程度にわずかです。
例えば髪を乾かすドライヤーの風は100℃近い温度がありますが、その100℃の空気でも風呂を沸かせないばかりか、鍋1杯のお湯を沸かすことすらできません。
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24時間換気システムの運転音が夜中に気になる
第一種換気では給気は居室にダクトを通して送られてくるため、風切音や本体のモーター音が聞こえます。
人の感じ方の差はありますが、就寝中には特に気になります。
全館空調タイプのメリット・デメリット
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換気と空調の一体化は住まい手に不利
換気は1年中、終日必要であるのに対し、温湿度の調整が必要なのは夏と冬の時期であり、その期間の中でも必ずしも24時間運転が必要なわけではありません。本来、換気設備とエアコン等の空調設備とは全く別のものです。
第一種換気のダクトと空調のダクトを共有化できることがメリットのように思われますが、送風ダクト内部の汚れの問題、メンテナンスもほぼ不可能に近いということが第一種換気のデメリットと同様にあります。
また機械が複雑になればなるほど故障しやすく、機械のメンテナンスも複雑となってしまい、機械の交換の際には200万円ほどの多額の費用が必要です。
あくまでも換気は換気システム、エアコンはエアコンと、目的別に分けるのが賢明です。
建て主様にはメリットはなく、高価な機械が販売でき、交換の際も大きな売上げが見込める建築会社と電器設備メーカーのみにメリットがある方式だといえます。
ウェルダンのスウェーデン製
24時間計画換気システム
長い歴史に基づく信頼性
厳しい気候により早くから高気密高断熱住宅が発達、同時に24時間計画換気システムが改良、発達してきた北欧スウェーデンは住環境の先進国です。
スウェーデンでは今から70年近く前に換気システムが開発され、その後今から50年ほど前の1976年に法律で24時間換気システムの設置が義務付けられました。
一方、日本では24時間換気システムの導入が建築基準法改正より義務化されたのはスウェーデンに30年近く遅れた2003年ですので、いかに住環境に対しスウェーデンが先進的であるかが理解できます。
それから長い年月をかけ24時間換気システムに改良を加えてきたスウェーデン。性能、機械の信頼性共に世界一といってもよいと思います。
また毎年のようにモデルチェンジを繰り返す国内メーカーと異なり、モデルチェンジはめったに行わないため、かなり年数が経過しても部品の調達が容易なのも安心です。
スウェーデンの住宅は第三種換気が多い
寒冷地であるスウェーデンでは、熱回収する換気方式の方が第三種換気よりメリットが多いと考えられ、以前は第一種換気で顕熱交換タイプを使用する例が多くありました。
しかし、ダクト内部の汚れにより室内環境が 汚染されてしまう点と、コスト面でのメリットがないことから、第一種換気である熱交換タイプの研究は継続されているものの、現在では第三種換気(排気タイプ)が採用されるケースがほとんどです。
ウェルダンの採用する換気システムの変遷
ウェルダンでは40年近く前から換気システムを採用しています。
その当時は、第1種換気で熱交換できるタイプを採用しておりました。
熱交換の方法は、空気に含まれる水分(水蒸気)の熱までを回収できる「全熱交換タイプ」と、水蒸気の熱は回収しない「潜熱交換タイプ」とがあります。
全熱交換タイプの方が、熱交換効率は高いのですが、浴室やトイレの臭いが居室に出てくるというデメリットがあるため顕熱交換タイプを採用していました。築年数が経過するとどの建物からもダクトの中の汚れが吹き出てくるようになり様々なメーカーの換気システムを使用してみましたが、解決することができませんでした。
そんな中、熱交換をしてもほとんど室内温度には影響がないことが判明してきたことから、熱交換の無い第三種換気をモデルハウスに試験的に採用してみたところ、真冬でも給気から冷たい空気が入ってもわずか10センチ離れると全く外気の影響を受けないことが確かめられたので、現在では第三種換気を採用して今に至ります。
構造がシンプルで故障しにくい
ウェルダンで採用する換気システム、フレクト社(スウェーデンABBグループ)の「エクソネット」は、採用し始めてすでに30年以上経過していますが、機械的に非常に信頼性が高く、安心してお勧めすることができます。
北欧など極寒の中で、熱交換もしない非常にシンプルな構造で、30年以上の間で大きなモデルチェンジは1回しかありません。
メンテナンス性が高く、1年に1回5分程度のファンの掃除で済み、道具も必要ありません。
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